2017-12-15

今月のねこぱんち。

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-mogg「よるのこいびと」ワニマガジン社 ISBN:9784862695291
話○ 抜○ 消小 総合○

1人やって来た田舎で幼なじみ3姉妹と肉欲三昧の暑い夏を過ごし連作4話+独立短編7本。スタイリッシュきわまりない作画でもってドスケベガールズ&レディースのはしたなさすぎる痴態を赤裸々にあぶり出す作者最新刊は通算3冊めのコミックスだ。なお本来は今月初頭発売のものを大幅に遅延してのレヴュウとなっていることをあらかじめおわびしておく。
コッテリツヤツヤ濃厚なトーンワークに彩られた肉感的なボディが躍動しまくりというイメージだった数年前の「COMIC快楽天」誌上において、それとは一線を画したサッパリ系のラインをベースにセンス炸裂のお洒落なタッチで颯爽と現れたのがこの人。以後も雑誌のなかでは独特の存在感を放ち続け唯一無二のポジションを確保している。そんななか順調にストックもたまり前単行本「ガールズ・トーク」刊行からおよそ1年半あまりの刻を経ての再会とあいなった。
見るからにオサレ感あふれる頽廃的なヴィジュアルがなんと言ってもmogg最大の特徴だけれど、これでも初めて見たときと比較すれば昨今はずいぶん世間一般に迎合して多少なりとも親しみやすい雰囲気に。同時に以前よりは快楽天本誌が脂ぎった絵柄の執筆陣ばかりでなくなったことから誌面での違和感も薄れたのはたしか。収録作すべて前作刊行後の快楽天掲載分ということで品質は高値安定であり店頭ではじめて目撃しての衝動買いも安心。むろん例によって版元公式サイト内のコミックス情報ページでサンプル画像も確認できるので書店に見本がなくても無問題。
中身をパッと見渡して気づくのは、ヒロインの年齢層が若干ワイドになったこと。むろん中心となるのは従来どおりハイティーン~20代前半附近なのだが、設定的にもっとヤングなおにゃのこが数名投下されているのでロリ嗜好の方にはうれしいサプライズ(まあコンビニ売り誌なのでレギュレイション上は露骨にそれを示唆できないけども)。前から快楽天作家にはめずらしく貧乳っ娘も積極的に描く作家なので女の子のお歳もそれ相応にアジャストさせてみたというところか。端整そのものの描線でつむがれる女子連中のため息が出るような美しさを堪能しつつ、そののち彼女らが淫蕩なメスの顔をあらわにする光景までも存分に味わえるのだからたまりませんね!
慎太郎シール誌物件ゆえ物語のベースラインは穏健な合意エロとなっているが、そのカテゴライズに収めつつも甘いのエグいのさわやかなのドロドロなの多種多様なシチュを展開。従来ほどあからさまにダークサイドを垣間見せることはなくなったものの、スウィートなタイマンエロスのみを摂取したい人にとってはやや刺激が強いかも知れない。とはいえ瀟洒な絵ヅラにも助けられどこか不穏なストーリーさえもスルスル読めてしまうのはmoggならではの利点で、彼ら彼女らがくり広げるさまざまな愛のカタチを特段の抵抗なく受け入れてしまえるから不思議だ。
そんな彼女らがスレンダーボディを白日の下にさらしメスの本性全開で乱れまくるエロシーンはなかなかに扇情的。1本あたり16-20ページのタイトな容量ゆえ大ヴォリュームとまではいかないが、さほど濃口でないトーンを効果的にお肌へ這わせたセンスのよい画面処理のなかシルキーな体躯が闇夜に艶めく。1on1のノーマルファックのみならず複数まんこ並列処理系のお話も多くゴージャス感もアップだ。ここへヒロインたちが秘められた情欲を全開し淫蕩な本性を見せつけながらのドスケベアクメフェイス百面相が組み合わされ、読み手の自慰表明を力強くアシストする仕掛け。
あどけないニンフェットからフェロモンダダ漏れお姉さんまでベッドのなかでは等しく娼婦と化す。自分から目の前の男根へむしゃぶりつきいとおしげにそれをお口へほおばりただちに先走り汁を確保だ。休むいとまもなくこんどは準備万端の下腹部をフルオープンしていきり立つシャフトを迎え撃つ。ねじこまれた怒張の形に肉ヒダを変形させ柔肉をうねらせての強烈な締めつけを加えながら彼女らは未曾有の快感に華奢な肢体をよじらせほおを紅潮させて法悦の態。はしたなく腰を使っては汗と涙とよだれまみれでイキ狂うヒロインのえっちな子宮の許容量いっぱいに怒濤のごとくザーメンの奔流を叩きつけ女体征服ミッションコンプリート。
アダルト書店というよりはヴィレッジ・ヴァンガードで平積みされてもおかしくない高踏的なヴィジュアルをいくらか庶民寄りへと是正しつついっそうシチュエイションの幅を広げヒロイン造形の引き出しも増えてと円熟の1冊。キャリア初期はいつ一般誌へ青田買いされるかと心配しきりだったのだけど、どうやらこのまま斯界に居着いてくれそうな情勢でまことに重畳きわまりない。最近の快楽天誌上ではこの人みたくあまりコッテリ感を出さない絵柄の後輩連中が増えてきたことだし先達として彼らを牽引してもらいたいもの。このたび収録のお話たちのなかでは、表紙にも登場する闇の眷属さんが冴えない男子の血液ならぬ精液をモリモリ搾取するうちいつしか愛が芽生え……の「夜の恋人」と、突如主人公宅へ転がりこんできた褐色貧乳異人っ娘との奇妙な共同生活「ほーむすてい」がことのほかよござんした。

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