2017-05-07

今晩の教養小説。

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-ZUKI樹「ひどいことしないで」ティーアイネット ISBN:9784887746503
話○ 抜○ 消小 総合○

親友同士のJC2人はともに痴漢の手で純潔を散らされやがて電車以外の場所でも凌辱の限りを尽くされて前中後編+美術部男子のためヌードモデルを買って出た級友女子2名は現場を教師連中に押さえられ強姦輪姦フルコース中編3話+独立短編1本。悪意と欲望の生贄として華奢な体躯を無慈悲に蹂躙され未発達な蜜壷へ遠慮会釈なく精液を注がれ悶絶する少女たちの凄惨きわまりない受難劇をノンストップでお届けの作者最新刊は成年マーク指定物件としての9thコミックスだ。なおエグい内容のせいかいきなり某密林では取り扱いがなくなっているようなので、本作の書誌情報リンクはまんが王のサイトへ。
決してデフォ買い作家ではないけれどこの人のことはキャリアの比較的早い時期からその存在を認識していて、ガチエロ漫画のほか一般誌で描いた作品などもちょくちょくゲットしていた。ただ昨今は自分の観測範囲であまり見かけることがなくなってしばらく購入もごぶさたであり、当ブログで評価の俎上に載せるのは2013年に同じTIより刊行の「媚薬ガ私ヲ牝ニスル」以来とじつに3年半以上のインターヴァルが空いてしまいまことに申しわけなく。そんなわけでZUKI樹作品とは久しぶりの邂逅となるのだけど……なんだか以前に記憶してたのとえらくノリが違うぞ!
まずは昔の印象から変化のない部分を先に列挙すれば、この人特有のドライでシャープな描線から生み出される硬質のタッチはあいかわらずオリジンな味わい。いまのエロ漫画シーンの主流からはだいぶ外れているし一般誌で見かけたときもずいぶんソリッドなその筆致は少々浮きぎみだったけど、それゆえにいちど脳裡に焼きついたら2度と離れない抜群の存在感だ。なおティーアイネットの単行本としてはめずらしく収録作品の初出媒体と執筆時期がきちんと記されているのだけど、それによればすべて2016年以降の「COMIC夢幻転生」掲載分と最新のプロダクトばかりゆえ表紙とも完全互換の絵ヅラ。むろんここの本はすべて公式web内の著者別情報ページでサンプル画像の確認および1話立ち読みが可能なので、あわてて本屋へおもむく前に要チェック。
とまあ従来どおりの点もあったのだけど読み進むうちまず「えっ?」と思ったのが、どのお話でも登場ヒロインたちがえらく若返っていたこと。以前はTIのほかライトエロ誌でも描いていたという事情もあるとはいえ10代後半から20代なかばあたりのおっぱい女子メインだったのが、この作品ではどっちを向いても貧乳っ娘ばかり。付随して彼女らのお歳もロウ~ミドルティーン専科となり、ZUKI樹謹製のグラマラスガールズ&レディースをお好みの方には不向きになってしまった。とはいえこの人の鋭利な筆致は育ちかけ少女の若干ゴツゴツした肢体を描くのにも意外とマッチしていて、これはこれで大いにアリですよ。
そして女の子の年齢設定以上にビックリしたのがこのたび全編にわたりくり広げられるダークネス炸裂の救いレスな凌辱地獄絵巻。これも以前なら真摯ななかにもハートウォームな恋愛模様だったり突飛なアイディアや変態的なシチュを続々投入しながらも最後は口当たりよく収束する軽妙エロコメが芸風だと思ったのだが、まさかこんな問答無用のレイプ調教おしおき満漢全席に変貌しているとは。非エロの方なんか楽しく読ませつつちょっと泣かせるほのぼの家族ネタなどを手がけていただけに、そっちから入門した新規のZUKI樹ファンは酸鼻を極める人権蹂躙劇の連鎖を前にして卒倒すること必至。それプラスどのお話も野郎サイドがことごとく弁護不可能な正真正銘100%クズなのもいっそう凄惨さを増す要因で、犯罪を暴露され逆上した痴漢は陰湿な復讐のあげく少女拘束調教肉便器化を遂行し、空き巣に入った泥棒は首尾よく姉妹セットでレイプ中田氏、悪徳教師たちは盗撮画像をネタに女生徒2名を強請りダブルで教え子まんこご開帳、当初被害者だったはずの男子生徒は後年りっぱな性犯罪者と化し……と誰をとっても強姦魔のオンパレード。少し調べたところテイストが激変したのはこちらでは未レヴュウの当社前単行本「もう、やめてぇ!」(2015年刊)からのようで、いきなりの路線変更のいきさつはわからないけどエロ漫画を長年読みつけていてこれだけ作風が覆ったのを目撃したのは久しぶりだ。
ちんまい体躯を大人の強大な力で拘束されろくに愛撫もせずに前人未踏のちびっ娘まんこをゴリゴリ剛直で貫かれる無残な光景をZUKI樹はカメラ・アイで冷徹にスケッチ。犯される側の少女たちがみなお歳のわりに発育がよろしくないこともあってゴツい大人のレイプマン連中との体格差がいっそうきわ立ち犯罪臭もマシマシですよ。物語傾向はともかく昔から濡れ場はSMやら異種姦やらハードめの特殊プレイが多かっただけにそれらが強姦調教風味になったところで作劇面ほどショックは大きくないとはいえ、やはり女の子が始終いやがり異物挿入に阿鼻叫喚の嗚咽をまき散らしては遠慮会釈なく射精され続け人事不省におちいるさまは痛々しく哀れを誘うのだ。ヒロインの年齢層がグッと下がっただけによけい日常パートで純真無垢な笑顔を見せる彼女たちが尽き果てぬ凌辱の日々に涙も涸れ果てたのち浮かびあがる暗黒に塗りこめられた絶望の表情が読み手の心にグサグサと突き刺さる。
突然の闖入者になすすべなく自由を奪われ、あるいは信じていた大人に裏切られて、希望に満ちた青春を送っていたはずの乙女たちは苦痛と絶望のさなか情欲の畜生道へと一直線。着衣を剥かれいまだ第二次性徴の兆しもないおこちゃまボディを好きでもない男の前で開かされる屈辱に涙するのだ。全身をまさぐられ秘所を乱暴になぶられたのちいきり立つ怒張を容赦なくねじこまれヒイヒイ金切り声を発しては落涙し歯ぎしりして未曾有の苦しみに身をよじらせる。破瓜の血を流し結合部の粘膜は悲鳴をあげるなかなおも執拗に膣内を暴れん棒が出入りして脳を灼く衝撃にヒロインズ失神寸前。カッと瞳を見開き断末魔のごとく嗚咽する少女のコンパクトな子宮めがけザーメンの奔流を2度3度4度とお見舞いだ。
単行本タイトルとは裏腹にどこからページをめくっても女の子がひどいことばかりされている、まさにこれ全編ヒロイン生き地獄。行為内容は当然のこと、ストーリーも安直な救済などいっさい拒否し勧悪懲善100%バッドエンドぞろいの徹底ぶりがいっそ清々しい。ここまで一方向へ振り切った仕様だとハッキリ読み手を選んでしまうが、それゆえに好事家にとっては禁じられた欲望を紙の上だけでも存分に解き放ちこのうえない至福の時を過ごせるはずだ。収録作いずれも読後の胸糞気分間違いなしの1冊、なかでも悪辣非道な痴漢の手で次々に犯され凌辱の限りを尽くされる少女2名の惨状と裏切りの悲劇をヴィヴィッドに描き出す冒頭連作「Please don't touch me.」のエグい展開/やるせない結末には慄然とさせられましたよ。

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