2017-03-07

今週の特別天然記念物。

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-もりまりも「清楚で淫らな彼女」富士美出版 ISBN:9784799504840
話○ 抜○-△ 消小 総合○

クールで寡黙な先輩女子はお付き合いしてみると匂いフェチの変態でした……連作2本&描きおろしフルカラー/白黒後日談+満員電車で図書室で人目をはばかりガチンコファック連作2本&カラオケH後日談+すなおになれない系女子×えっちのときだけ豹変する系男子のうれし恥ずかしラヴ模様連作2本&バレンタインは燃えあがり後日談+清純彼女はちんこを目にすればたちまち淫乱化連作2本&あいかわらずサカりまくり後日談+独立短編1本。ステディな彼氏の前でだけ乙女の貌をかなぐり捨てドスケベな本性をむき出しにするヒロインズのたまらなさすぎる痴態がてんこ盛りの作者これが記念すべき初コミックスだ。
自分がこの人の作品をはじめて見かけたのは数年前の「コミックペンギンクラブ山賊版」でのこと。男性向け成年漫画としては異質なえらくキレイキレイしたタッチに思わず引きこまれたものだ。ただ作品産出ペースがずいぶんゆっくりで、その後なん年経過しても単行本の話が出ずなかばあきらめていたところ今年に入ってようやく新刊リリースの報を耳にし歓喜雀躍。まことにもって待てば海路の日和ありですよ。
そんなわけでいわゆる一般的なエロ漫画とはいささか趣の異なる少女漫画直系のタッチがこの作家のもっとも特徴的な部分。萌えっぽいというよりフェミニンな雰囲気が印象に残るその筆致は90/00年代あたりの「花とゆめ」や「LaLa」なんかにいてもおかしくない感じだ。残念なことに収録作の初出一覧がないが、作者サイトの仕事履歴を見るに2010年代初頭から現在までの長い間をかけ執筆されたようで、描きおろしパートとの絵ヅラの差異がやや目につくのは否めないところ。とはいえ全体にただよう清冽なアトモスフィアは一貫しており表紙のみ見てのジャケ買いでも裏切られるようなことはないはず。また立ち読みへのリンクが付属した単行本情報ページが用意されているので不安な方は先にそちらをチェックすべし。
このさわやかな作画をベースにつむがれる女性陣はJKあたりをヴォリュームゾーンに10代ラストまでと思われる。いずれも端整な顔立ちにフワッとしたおぐし、基本巨乳ながら慎みのあるヴォリュームのおっぱいにぷっくり艶やかな女性器と男子諸君の情欲を誘わずにはおれないボディデザインがナイスだ。単行本タイトルどおりに清楚そのもののルックスである彼女らが濡れ場では一転エロエロに乱れまくるのだからたまりませんね!
ファンシィな絵柄から想像されるとおり物語の方もきめ細やかな上質のラヴストーリーが目白押し。同級生同士から先輩後輩など多彩な関係性のバカップル連中がくり広げるオーソドックスなタイマンエロスの構図を踏襲しつつ、どのお話も男女いずれか、もしくは両方にフェティッシュな性癖を持たせたりなにかのスウィッチで性格が豹変したりとワンダーな要素を付け加えているのが物語の適度なスパイスとなっているのだ。それプラス大半の作品が2話セットでそれぞれ別視点からひとつの恋愛模様を描くことで展開にいっそう深みが増す仕掛け。このへんの手際はとても新人らしからぬ巧みさで、あるいは他にも異なるジャンルでずっとお仕事してきている人なのではと疑ってみたり。
1本あたり20ページそこらのそう多くない分量だけども、前述のようにニコイチの作品がほとんどでそのぶん濡れ場の掘り下げをじっくり行える。クリーンな画風は成年作品としては清廉に過ぎて激しいエロティシズムを演出するのには不利に働くのだが、そのぶんを変態性癖の付与とおにゃのこの極上イキ顔百面相でおぎなっている感じ。最愛の男子に軽くイジめられてみたり少々じらされたりして彼女らの欲望の炎はむしろいっそう激しく燃えあがり、ふだん見せる笑顔とはまったく異なる淫靡なメスのツラをあらわにしながら汗だく汁だくファックにいそしみはしたなく絶頂するのだ。
セックスのセの字も知らないように見える清純そのものの少女たちはしかしながら恋人の前でだけ1匹の発情したメスイヌと化す。彼の体臭だったりイチモツだったり欲望のトリガーを刺戟されたその瞬間たちまち女子どもほおを紅潮させ下腹部をしとどに濡らして準備万端だ。みずから秘部を押し広げ挿入を懇願する彼女のリクエストにお応えしてたぎる怒張をインサート。激しく内奥を突き上げられるたび両手両足でギュッと抱きつきながら全身をビクつかせ甘い吐息をもらしてよがり狂うさまが愛おしくもエロっちい。汗と涙とよだれまみれで日本語にならない嬌声を発し昇りつめてゆく彼女の内へ外へとスペルマの奔流をプレゼント。
スッキリ端整にまとまった作画と甘々ななかにも随所に刺激的なファクターを組みこんだ周到な作劇により心地よい興奮と爽快な読後感を約束する非常にウェルメイドな処女作品集。ことにどこまでもシルキー&クリーミィな質感の高いヴィジュアルは昨今のエロ漫画では希有な読書体験だ。ただし野郎用R18作品としてはちょっと徹底されてない部分がありそこで私的実用性が若干ダウン。まず一部の作品に見られる「イケメンだけど性悪ガチクズ」な男性キャラの造形は少女漫画やTLではおなじみだし受けもよいのだけど、こっちの畑だとちょいSくらいの人格にとどめておかないといたずらに読者の反感を買いひいては作品の抜き度を下げてしまう。あと複数回フィニッシュのお話があるのはいいけど最後が外出しの場合、仮にそれがストーリー上の要請だとしても萎え要素になるので、ラストの1発はやっぱり膣内射精でシメてほしい。とまあ小姑ティックに重箱はつついたもののマイサンも大いにお世話になり、とりわけ礼儀正しくおぼこい後輩ちゃんが先輩ちんこ目撃で速攻エロエロに……の「淫乱純情派彼女」/「いじわる彼氏」連作で我が精巣のストックもすっかり枯渇。

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