2016-12-03

本日の日本浪漫派。

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-美矢火「純愛リリシズム」文苑堂 ISBN:9784861172588
話○ 抜○ 消小 総合○

ふとしたことから行き場のない美少女と同居することになった主人公は彼女の蠱惑的な言動に終始振りまわされながらも強く惹かれてゆき……前中後編+独立短編6本。空前絶後の美麗なタッチでものされる極上ティーンズと甘く激しく睦みあう全男子垂涎のワンダーランド到来な作者最新単行本は通算3冊めにして当社発の第2弾コミックスだ。
この作家の存在を知ったのはすでにエロ漫画業界から撤退してしまった若生出版より上梓の処女単行本「純情少女エトセトラ」(2012年刊)が発売日前後のネット界隈でやけに評判だったのでお試し買いしたのが最初。えらく繊細で華やかな筆致から続々生み出されるまさに「美少女」そのもののキャラクターに衝撃を受けたものだ。以後は新刊が出るたびにデフォ買いであり、前単行本「オトメヒメ」刊行からおよそ1年半の歳月が経過してのニューエスト・モデルたるこちらもむろん発売日にゲット。
現在は書店売り総合誌「コミックバベル」を本拠地に活動するこの人、収録されているのも当然バベル掲載の作品たち。2015年から本作とほぼ同時リリースの最新号までに載った最新の原稿ばかりゆえ、超絶クオリティの表紙/裏表紙と同様の端整な作画が中身にも等しく続く。いまの業界のトレンドとは若干外れたところに位置するタッチだがそんなものはまったく気にならないくらいヴィジュアルとして完成度が高い。それにしても今回のカヴァーイラストのまばゆいような輝きといったら、なんだか神々しすぎてちんこしごくより五体投地で拝み倒したくなりそうだ。なお昨今よくあるように試し読みページへのリンクが付属した作品紹介ページが版元より提供されているので、未読の方はまずそちらを要チェック。
美矢火謹製の見目うるわしき絵柄でもって送り出されるヒロインたちはハイティーン中心に上下方向数名をプラスの構成。ため息が出るほど完璧な顔立ちにスラリと長い手足、ほどよく隆起した胸部からキュッと締まるウエストまで優美な曲線を描くボディラインは2次元でしかありえない理想体型だ。ちょっと現実離れすらしている完璧なプロポーションの彼女らはしかしながら決して雲の上の存在ではなく、適度におちゃめだったりなにやら小悪魔ティックだったり人間くさい魅力を放っていてグッド。
前作は少々ぶっ飛んだ感じのアイディアをねじこんでくる作品が多かった印象だが、こちらはわずかに残滓があるものの大半はオーソドックスな男子女子のラヴ・アフェア。同世代同士から年の差カップル、血の絆から行きずりの縁までさまざまな関係性を用意し、相思相愛ベタ甘系から波瀾万丈の大河ドラマまで多彩な愛のカタチを提供する。とくに印象深いのが実質的な表題作と言ってもいい冒頭連作「私の好きなおじさん×俺の好きな家出少女」で、表紙にも登場する絶世の美少女・みすずとくたびれ気配の中年男・洋介(作中ではほぼ一貫して「おじさん」呼ばわりされる)との奇妙な同居生活をじっくりねっとり描写。お泊まり初日からベッドへもぐりこみ誘惑してくるみすずと必死にやせガマンする洋介とのコミカルな攻防ではじまったお話は、やがて抱えこんだ心の闇に苦悶するみすずとやけっぱちな彼女についに手を出し自己嫌悪する洋介とのハートすれ違う修羅場を容赦なく描き出し読んでるこっちもやきもき。そんな葛藤を乗り越えようやく互いの気持ちを再確認した2人が本当の意味で結ばれる終盤の展開には思わずホロリですよ。またひと回りふた回りも年の違う部下たちの態度にとまどったり長きにわたるひとり暮らしを従容として受け入れる洋介の姿は同じくムダに年だけ食った俺みたいなオッサン連中の大いなるシンパシーを呼ぶこと必至で、このへんは以前にけっこう絵描き歴が長いことを示唆していた作者自身の投影なのかなあと思ったり。
エロシーン密度はきわ立って高いわけではないけれど(もちろん業界平均以上はキープしている)、ステディな男子の前でだけドスケベに豹変するヒロインズの煽情的なしぐさや感極まり絶頂するイキ顔描写がたいそう股間に来るのだ。加えて超絶画力を十全に活かしたアクロバティックな体位が頻出し、快楽に没頭中の2人が発するこっ恥ずかしいくらいに露骨な科白まわしも勃起力アップに貢献。こみ上げる衝動に全身を打ち震わせ愛する男のすべてを受け入れる少女たちの艶姿にぼくらの自慰表明もはかどりまくりですよ。
陶磁器のような白い肌を羞恥で紅に染めながら彼女らは褥に横たわり最愛の男の愛撫に身をゆだねる。敏感な部分を刺戟され舌先を這わせられて早くもイキっぱなし。プリティな美尻を自分からいきり立つ怒張へ沈めてゆき蜜壷の奥まですっぽり飲みこんで粘膜どうしの摩擦運動をスタートだ。獣のように激しく性器を重ねしきりに体位を違えながら体躯を弓のようにねじらせ小刻みに嬌声を発するさまが煽情的でたまらない。両腕をからめギュッと抱きつきながらイクイク連呼のヒロインズのティーンエイジまんこめがけて最後にたっぷりとザーメンの奔流をお見舞いだ。
わざとエキセントリックな方向にお話を振った感のあった前作よりそのへんが落ち着き普遍的な恋愛模様にシフトしたこちらの方が個人的には好みで採点アップ。ますます磨きのかかった女体描写と併せ冬の夜をともに過ごす頼もしいお供として大活躍してくれるはずだ。収録作品のなかではなんといっても前述の「私の好きなおじさん×俺の好きな家出少女」が白眉だが、それプラス壮絶にキュートな喫茶店ウェイトレスちゃんがマスターとくり広げるドスケベな痴態がマーヴェラスな短編「看板娘」でもマイちんこをハードユース。

2 件のコメント:

  1. 重厚な感想ありがとうございます!がんばっていけるきがしました(オイ!)
    美矢火

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  2. >美矢火様
    こちらこそすばらしい作品をありがとうございます。創刊間もない「コミックバベル」をずっと購読することにしたのは、先生が定期的に描かれると知ったのが大きな要因でした。今後も美しいのやら楽しいのやらエロいのやら期待しております!

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