2016-08-07

今週のロング・ホット・サマー。

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-日吉ハナ「契と結の方程式」ジーオーティー ISBN:9784860848514
話○ 抜○ 消小 総合○

シルキーかつ華麗な筆致でものされる極上ビューティフルガールズ&レディースがダイナミックボディをフル活用し乱れまくり短編8本+主要キャラ登場巻末座談会漫画。息を呑むように美しく整ったタッチから生み出されたグラマラス美女のはしたない痴態を余すところなくお届けの作者最新刊は通算2冊めのコミックスにして当レーベルからの初見参だ。
諸事情あって主要な執筆陣こそ共通だが2度にわたって版元が変わった旧「コミックメガストア」~「コミックゼロス」~「COMIC E×E」は自分もずっとお付き合いしてきた媒体だけれど、当初はその他大勢のなかの1人といった印象だったのが徐々に重要な存在になってゆき、ついにはE×E創刊号の表紙担当という文字どおりの看板にまで出世したこの人の成長ぶりには驚くばかり。それらとは系統の違う快楽天BEAST掲載分をまとめ2013年5月にワニマガジン社より上梓されたデビュー単行本「シークレットエデン」の方が早く世に送り出されたが、そこから3年あまりのインターヴァルを経てようやくこちらのラインの作品群が晴れて単行本化されまずは拍手。
エロ漫画業界に参入する女性の描き手が飛躍的に増えたいま、ハッキリ少女漫画方面がルーツとわかるこの人の絵柄も特段めずらしいものではない。しかしながら一点きわ立っているのが破綻のまったくない造形とうっとりするほど滑らかなペンのライン。ことに女性陣の完璧なボディラインときたら2次元世界のなかでも屈指の理想的なプロポーションで、どこか日本人離れした顔立ちとも併せまるで泰西名画からそのまま抜け出してきたかのよう。なお昨今の例にもれず出版社サイドから各種購入特典案内や内容サンプルが付属した単行本紹介ページが用意されているので、本屋へ出向く前にまずは一瞥を。
明らかにコーカソイド体型の本作ヒロインたちは10代後半から子持ちママンまで年齢層は比較的ワイドながらルックスの差異はあまりなくて、ティーンでもすっかり育ちきっているかと思えば年長組は人魚の肉でも食らってるんじゃないかというくらいに若作り。凜とした顔立ちにロングヘアの典型的なレディたちがお歳の上下を問わずおっぱいボイーンお尻ドドーンの特盛りボディを披露する光景はひたすら眼福で、ここにBL/TL世界からそのままコンバートされたみたくイケメンぞろいの男性陣が加わり全編これ美男美女の見本市状態だ。
一種近寄りがたい神々しさすら感じる作画に対し物語の方はわりかしポップ&キュートなラヴコメ模様。完璧な容姿とは裏腹にどこか抜けてたりヤンデレ風味だったりするヒロインと、それを正面から受け止めるイケメン青年諸君とのほほえましい愛の情景をていねいに描き出す。なお多くのお話に「~の方程式」と類似したタイトルがつくことから推測されるとおり作品たちはそのほとんどが世界観および登場人物を共有していて、前の話で主演を務めたキャラが次の作品にカメオ出演していたりのクロスオーヴァーが堪能できる仕掛け。このへんは実際に単行本としてまとまってみないと分かりづらい部分で、雑誌掲載時からすべてのディテイルを記憶しているような熱心なファンでなくとも物語世界をシェアする喜びを味わえてナイスだ。ちなみに巻末著者あとがきによれば今回未収録の漫画たちともどこかでリンクしているらしいので、可及的速やかに続刊リリースが待たれる。
女たちがたわわな肢体を存分に活用し美しくも狂おしく乱れるエロシーンもまたそのエレガントな作画にふさわしく端整そのもの。とはいえそれはけっしてキレイキレイした雰囲気に終始するものではなく、ピキピキちんこ&ビラビラまんこの生々しい存在感やそれらが派手に干戈を交える結合断面描写などダイナミズムが横溢している。清楚だったり神秘的だったりの淑女たちが理性のタガを外しドスケベな本性を全開しては子宮の奥へたっぷりと精液注がれ絶頂の光景を目の当たりにしてぼくらの摩擦運動も止むことなし。
セックスのセの字もおくびに出さない通常モードからいざ発情すればたちまち娼婦さながらの妖艶モードへと移行して彼女らは獲物を前にした肉食獣のごとく濃密な性の饗宴を開始する。衣服の下に隠されたエクストララージバストを解放し濡れそぼつ蜜壷を見せつけるようにしてレッドスネークカモン。辛抱たまらずねじこまれたシャフトを肉壁できつくくわえこみ結合部を独立した生きもののように蠕動させながら快楽享受に没頭する情景は浅ましい牝犬さながらの行状だ。小刻みに嬌声を発し淫語をマシンガン連射してはしきりに膣内射精を懇願するドスケベガールズのご要望どおり、行為の締めくくりは子袋の許容量をはるか超えるザーメンの奔流を勢いよく叩きつけてフィニッシュ。
足かけ5年にわたる収録作のワイドな執筆時期が物語るとおりコミックス刊行までずいぶん待たされた原稿も多々あるが、それだけにようやく今回パッケージとしてまとまり感慨もひとしお。作画にいくらかの差異はあれどデビュー当初から日吉ハナという作家の本質は変わらないのだと、すみからすみまで読み通したのち改めて実感。引き続き世界観を共有するシリーズが現在断続的に雑誌掲載されているので、これらも早晩単行本として世に送り出されるのを楽しみにしている。どの作品も美味しくいただいたけれど、なかでも壊滅的に味オンチな移動パン屋さんの商品改良を支援すべく彼女のカラダへ実践レッスン「愛とパン屋と片思い」と、仕立師としては完璧な仕事ぶりなのにおさんどんは落第点の雇用人を前に店長ドギマギのタイトル・チューン「契と結の方程式」の、ポンコツ女子大活躍な2本がとりわけ俺によし。

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