2016-08-18

今年度のレオライナー。

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
-えむあ「すとらいくぞーん(3)」エンジェル出版 ISBN:9784873067247
話△ 抜○-△ 消小 総合△

ノーヒットノーランを達成し一流投手への道を歩む主人公は交友関係も広がりますます多くの女性と関係を持つがそんな浮ついた生活に不安を抱いた彼はある決意を……表題作長編8話(第17-最終話、完結)&描きおろしおまけ後日談。冴えないドラフト下位指名選手がサクセス&セクロスロードを昇りつめてゆくさまをどこかコミカルにつづってゆく新感覚スポーツファックもいよいよ大団円の作者最新刊は抜き物件としての通算20冊めにしてガチ成年指定の7thコミックスだ。
軽快エロコメからマニアック&フェティッシュな性の隘路までなんでも手がけてみせるこの作家もこれだけ多くの単行本をリリースすればもはや大ヴェテランの部類。えむあ漫画としてはこれまでになく変則タイプのこの作品も順調に巻数を重ねてきたが(→既刊レヴュウ:1巻/2巻)、いよいよこの3巻をもって物語にピリオドを打つこととあいなった。なお作者サイトの発売告知記事では各ショップの購入特典が案内されているので、あわてて書店へ駆けこむ前にそちらをチェックしておくのをオススメ。
いささかクセはあるものの端整かつスマートな一般青年誌系のタッチはことのほかライトエロ市場との相性がよく、デビューこそ本格成年向け媒体ながらキャリアの多くは慎太郎シール誌でつちかったもの。本作も18禁マークこそついているがコンビニでも買える「アクションピザッツ」/「ピザッツスペシャル」に掲載されたのが初出だ。収録コンテンツはすべて2015年以降執筆の原稿で構成されており、作画の安定感は抜群。複数のメディアで同時進行的に作品を発表のハードワークでも描線が荒れたりしないあたりさすがプロフェッショナルのお仕事。
華麗な球歴などいっさいないがいちど見せた好投を買われ下位指名ながらプロ野球・埼玉ライダース入りしたアンコ型ボディに朴訥フェイスの左腕投手・霧山修慈(きりやましゅうじ)はそれまでの非モテ人生がウソのようにさまざまな女性と関係を持ち……という物語の基本ラインはこの3巻に入っても共通。とはいえ十把ひと絡げのペーペーだった彼もいまでは先発ローテ入りし無安打無得点試合まで達成したいっちょ前のスター選手だ。付随して巡りあうオンナたちも芸能人やら一流アスリートなどきらびやかなセレブばかり。彼のちんこも休むヒマなく夜のマウンドも絶好調である。そして今回収録分からはいよいよこれまで物語に深く関与してこなかったメインヒロイン格のあの娘が本格参戦し我らが霧山くんの人生にも重大な影響を与えるのだが……その紆余曲折ぶりと最終的な顛末は実際に本作を購入して君の目で確かめよう!
18禁マーク物件として従来作より明確に濡れ場重視へ振られ画面上の女体占有率も格段にアップ。えむあ作品では大半のヒロインがグラマラス系ゆえその密度もまたコッテリと高めだ。ハーレム構成員が増えたぶん1人あたりに割くページはどうしても少なくなるものの、そこは乱交を多めに配しプレイ内容の豪華絢爛度をマシマシにすることで対処。性器結合部を大写しにしいろんな液汁噴き出しながらド派手に乱れるエロメスどもの痴態をたっぷりとお届けだ。もっともこれだけ酒池肉林を堪能しておきながらけっしてオラつかず最後までどこかオドオドと状況に流され続ける霧山くんのヘタレっぷりはハーレム漫画としては異色の主人公造形で、このへんを新鮮と感じるか煮え切らなく思うかが本作受容の分かれ道。
大学時代の後輩や同級生からトレーナーにスポーツメーカー営業など周辺関係者、はたまた同僚の奥さんや愛人に一流芸能人など多種多様な女体に乗っかり彼女らのドスケベまんこに怒張を突き立てる。豊満ボディが幾重にも重なり熟れた蜜壷が次々と目前に突きつけられては代わる代わる暴れん棒をフェードイン。体位を変え角度を違えながら粘膜どうし激しく干戈を交えては全身を打ち震わせイキ狂う女たちの痴態が前後左右に入り乱れ視界360度すべてのまんこに白濁の奔流を次々と注ぎこみ果てなき性の饗宴は終わることなく続く。
とまあ前巻に引き続き大量の女体サンドウィッチを美味しく味わえること必定の1冊だけれども、ストーリー的には終盤あからさまに駆け足でやや消化不良。巻末著者あとがきで述べる「本来は78巻くらいの予定だった」はホラ吹きにしても、オハナシを破綻なくまとめるのにもう少し分量があったらというのが彼の偽らざる本音ではなかろうか。それとようやく大本命登場のその後の彼女との本番が(ストーリー上の要請とはいえ)かなりもの寂しくて、その日の到来を1巻発売のころから心待ちにしてきた俺としてはいささか拍子抜け。ヒロイン回転寿司系の作品でメインの女の子が終盤まで出し惜しみされるのは宿命ゆえそこはやむを得ないにしても、堂々お披露目のあとは存分に濃厚ファックしてほしかった。そうは言っても野球漫画としてのカタルシスとハーレムエロスの悦楽とを両立させた他に類を見ないこのシリーズの試みは貴重なもので、いずれさらにソフィスティケイトされた形での続編や関連作を期待したい。

0 件のコメント:

コメントを投稿