2015-09-03

今晩のグランドジャンプ。

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-いのまる「座敷姫の玩具」ティーアイネット ISBN:9784887745766
話○-△ 抜○ 消小 総合○

自転車を手に入れ山を越えて見知らぬ街へとたどり着いた少年はふと漏れ聞こえた声に惹かれめくるめく情欲と愛憎の渦へと巻きこまれてゆき……表題作長編全7話。目の前に居並ぶダイナミックボディたちの誘惑に抗えず刹那的なファックに没頭するダークエロス満載でお送りする作者ひさしぶりのガチ黄色い楕円単行本は抜き物件としての8thコミックスだ。
デビュー以来おおむね年イチの快調なペースで単行本リリースを続けてきた人だが、今回に限っては前単行本「ミダラナシセン」発売から本作刊行までじつに3年と長大なインターヴァルが空いてしまった。それというのもここ最近は別途原作担当とコンビを組み非エロ漫画連載に注力していたせい。そちらで貴重な経験を積みこのたび満を持して我々の世界へ戻ってきてくれましたよ(めでたいのかそうでないのかはさて措くとして)。
トーンにはあまり頼らず白黒のコントラストを鮮明にしたシャープな筆致で描かれる一般青年誌テイストの絵柄はあいかわらず端整で、ことに表紙のような凜としたツリ目女子を描かせると白眉。なお残念ながら初出の明記がないのだが、ググって確認してみると2014-15年にかけ当版元の看板誌「COMIC夢幻転生」に掲載されたもののようで、カヴァーも中身も完全コンパチの最新モードいのまる絵。ゆえにジャケ買いでも期待を裏切られることはないと思うが、万全を期すならば出版社提供のコミックス情報ページを購入前に参照すべし。
読み切りも長尺ものも並行してこなす作家ながら、今回はアタマからシッポまで1冊まるまる冒頭表題作の「座敷姫の玩具」が占拠。どこにでもいる純朴な少年・晃輔(こうすけ)がある日偶然訪れた旧家で目撃した淫靡な光景から物語はスタート。緊縛され夫の執拗な責めを受けて悶絶する人妻・幸子(さちこ)は闖入者たる彼に手を差しのべ熟れた肉体へと導いて童貞をゴチになる。ひとしきり絶頂した彼女は自分の娘と友達になってほしいと建物のなかへ晃輔を導くのだが、気がつくと彼は座敷牢へ閉じこめられていたのであった!(ドロロロ)。……とまあなにやら和風伝奇な雰囲気のハードコアエロスが開幕ですよ。
一般漫画ではある種アホっぽい設定のライトなお色気ものを展開していたのが、今作ではそちらの反動なのかこの人得意のウェッティな情念うず巻く黒いアトモスフィアが横溢だ。メインキャラとなるのは前述の幸子さんではなく彼女の娘――座敷牢のなかで毎日を過ごす金髪碧眼の美少女・知子(ともこ)およびその姉で牢の外から彼女の世話をする黒髪セーラー美人の貴子(たかこ)の2トップ。ガチ熟女の幸子さんやお姉さんキャラの貴子さんはともかく、ショタ男子たる主人公と同世代のはずの知子までもが頭身高めボンキュッボンの豊満な肢体なのはちょっとアレだが、いのまる漫画ならではのマジックということでここは流そう。意志薄弱で流されるまま少女たちと刹那的なセックスに耽溺する晃輔もわりかしロクでもないが、性的不能者ながら幸子や貴子を執拗にいたぶるこの家の主人や過去回想に出演の強盗など、およそクズい男ばかりが登場しては女たちをむさぼり凌辱し好き勝手に精をまき散らす凄惨な光景が読者の心まで荒涼とさせる。
必然的にエロシーンは愛情薄め憎しみ多めの肉欲だけのやりとりに終始。いのまる作品の特徴であるSM色濃厚なプレイがTIならではの長大ページ編成のなか延々とくり広げられる。縄で縛り性具でいたぶりとハードめの行為が横行し、ダイレクトな描き方ではないとはいえスカトロもあって女たちの扱いはじつにぞんざい。執拗に肉体を辱められえげつない調教を受けて心ならずもこみ上げる快楽に身もだえしはしたなく乱れるヒロインズの痴態がたまらなく煽情的だ。またせっかくの抜きキャラ複数制を活かすべくシメには全員まんこを突き出し挿入をおねだりの4Pも用意されておりハーレム嗜好男子のむき出しの欲望にお応え。
女子どもみずから緊縛状態で少年の下腹部へ乗っかり腰を動かしながら強引にザーメン搾取。激しく身を揺さぶるたび砲弾おっぱいも連動し、おのが肢体を突き抜ける衝動に我を忘れてイキ狂い音量MAXで咆吼だ。情け容赦ない暴力の連鎖さえも快楽へと変えて幾度となく絶頂に達する彼女らの熱い蜜壷めがけまたしても大量の白濁を叩きつけては再び女体のなかへ沈殿してゆく。
いつまでも続く性の饗宴にも最後ようやくカタストロフが訪れ物語は急転回するのだけれど、それはみなさま実際に読んでのお楽しみ。個人的にはそれまでの濃密な展開がオーラスでサクサク進みすぎてエピローグもいささか説明不足かなあとも思ったけども、原作つきの一般作でやたら能天気なノリだったのがこの人単独名義に戻って本来のおどろおどろしいエロスを取り戻した感がある。今後エロへ完全に出戻るのか二足のわらじを履くのかわからないけど、魅惑のグラマラスボディが大胆に揺れるガチファック絨毯爆撃をまた存分に楽しませてもらいたいもの。今回のヒロイン3人衆では、すでにいっちょ前のオンナとして成熟した肢体をさらけ出しだらしなく情交におぼれてはまだしちゃいけないイキ顔披露の最年少女子・知子さんが我が最シコキャラ。

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