2015-03-01

今月のアフターダーク。

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-チバトシロウ「あにまるあそーと」ジーオーティー ISBN:9784860849559
話○ 抜○ 消小 総合○

姉の代わりにマンション管理人を務めることになった主人公は住人たちの女体肉弾攻撃にさらされ毎日のように精液しぼり取られて表題作長編8話&フルカラー描きおろしプロローグ+人類とミュータントが共存する近未来で今日もエージェントは凶悪犯罪にカラダで立ち向かい……連作2話+独立短編1本。スタイリッシュ&スピーディな筆致で特濃フィジカルエロスをエンドレスで展開の作者最新コミックスは通算8冊めにしてこれが当社からの初お目見えだ。
ゼロ年代なかばあたりにデビューを果たしてから(たしか当時はいまは亡き「COMIC桃姫」で執筆していたはず)、この作家の描くものにはだいたいお付き合いしてきたと思う。そうなるとこの人ももはや立派な10年選手であり、新陳代謝の激しいこの業界にあってはもう大御所扱いされてもいいキャリアの持ち主。いくらか出版社を渡り歩きつつもすっかり独自のポジションを築き上げてその存在感を発揮している。
そんなわけでこんどは「comicアンスリウム」に参戦しての本作、若生出版刊の前単行本「おしかけRIOT」リリースからだいたい1年半と近年の平均ペースでの発売だ。元来のシャープでソリッドな絵柄は2010年代に入ってからマーヴェル/DC風ディテイルを導入しますます先鋭的に。これだけハッキリとアメコミリスペクトな作画をするエロ漫画家は他にほとんど類例がなく、有象無象集うなかで明確な個性を打ち出すことに成功している。具体的にはむろん本書を参照していただきたいが、初見の方は画像サンプルてんこ盛りな作者渾身の単行本紹介ページが用意されているので手はじめにそちらを見に行くのもよろしいかと。
この端整な筆致でものされる女性陣は年齢設定的には10代後半~アラサー近辺といったところ。ただトータルではキャリアウーマンや敏腕エージェントなど有職の年長女性優勢のラインナップだし、少数派のティーンキャラでも明らかに成長しきった特盛グラマラス体型ゆえ発展途上青い果実スキーは回れ右。いずれもラージバスト/ビッグヒップなのは当然のこと、まるでギリシャ彫像みたいに均整が取れ美しく鍛錬されたご立派すぎる肢体がずらりと並び思わず息をのむ。そして昨今はむしろこちらこそがチバトシロウの人物造形で特徴的な部分なのだけれど、相対する男性キャラの方はわずかな例外を除き思春期入りたての少年のごとき短躯痩身のボディデザイン。いい歳の大人ですらちんまくまとまった庇護欲かき立てまくりのショタっ子たちが屈強なアマゾネスたちと対峙すればそりゃ結果はミエミエですわな。
本作コンテンツを構成するのは、冒頭からの問答無用振り回され系ハーレム長編「あにまる・あそーと」、2話連作の近未来SFアクションもの「TWO SWEET」、タイプの違う年長女子'sとコッテリ3P短編「How To Play」の3パート。物語の趣向としてはいずれも明朗快活ラヴコメの範疇といえるが、後述するようになにせ濡れ場が異様に濃口なので読み味軽やか……とはいかないのがおもしろい。とりわけキュートさ炸裂のマンション管理人ショタ男子・高城守きゅん(でもじつは23歳)視点から語られる表題作はオーソドックスなタナボタハーレムの形態を採りながらも主人公が常に受け身で始終女子サイドに主導権を握られっぱなしなので(ごくまれにリードする展開になってもすぐに下克上されてしまう)、読み終えてみるとなんだか延々逆レイプされ続けたみたいなムズムズと得も言われぬ感触が股間に残る。
帯の訴求コピーや巻末著者あとがきで「肉食系女子」を高らかに謳うだけに、エロシーンは物量も行為内容もむやみやたらとヴォリューミィ。ヒロイン側から積極的にちんこをくわえこみ怒濤のヴァキュームフェラで先走り汁搾取しまくりの前戯にはじまり、ダイナマイトボディにショタっ子がしがみついての体格差ファック絨毯爆撃を経て完熟まんこにゴリゴリ膣内射精フィニッシュへと至る一連のシークエンスをド派手なエフェクト混じりに展開だ。そこへSMティックな衣装やらオナホ等の淫具を用いてみたりコスプレで人格豹変させてみたり(ショタお約束の女装も投入だ!)、多種多様なプレイを随所にねじこみ長丁場のセックスをメリハリのあるものへと仕立て上げる手腕はさすがヴェテラン。
ちっちゃな身体をヒロインの爆裂おっぱいへムギュッと押しつけられて股間のポケットモンスターはムクムク屹立。亀頭の先から玉袋まで丁寧に舐めあげられ敏感な部分を刺激されてたちまち昇天だ。休むいとまもなくこんどは怒張にのしかかられハードに腰を使われてまたしても強引にザーメンをしぼり取られる。しまいには全員まとめてケツを差し出し代わる代わるちんこを求めては強制射精させられてもはや精嚢のストックは枯渇寸前だ。
これまで以上におねショタ的シチュを徹底し訴求対象を明確に絞った作品群で、そのぶん箱庭的閉塞感もいくらかただようのはやむを得ないところ。ただ基本的にはスカッと明るいノリのお話だしポップでセンスのよい作画のアシストもあって非常にウェルメイドなエンターテインメントとして成立している。とりわけ女子連中の強烈なキャラメイクとそれを活かした各人それぞれのヴァラエティ豊かな精液搾取アクションはじつに個性的で、受け身願望男子諸君にとってはまさに桃源郷到来となる1冊だ。物語たちのなかではやはりタイトル・チューンの存在感が圧倒的で、なかでも女傑ぞろいの住人たちのさらに上をゆく人格破綻スレスレの鬼畜ぶりをさらけ出す高城お姉さまのえげつなさすぎる造形には脱帽。

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