2015-01-05

今夜のエロ馬鹿日誌。

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-板場広し「不道徳SEX」クロエ出版 ISBN:9784908099021
話○ 抜◎-○ 消小 総合○

ある日転校してきた清楚な女生徒の奔放な裏の顔を知った担任教師はやがて婚約者そっちのけで彼女の肉体へおぼれてゆき……長編5話+痴漢した相手を執拗につけ回し強姦監禁フルコース前中後編+さえない中年男性に囲まれ犯されて人妻の熟れた肢体はますます艶めいて正続編+兄嫁の底なしの性欲に精液搾取されまくり本編&描きおろし後日談+当社前単行本収録作別エピソード1本。許されぬ関係/犯罪まがいの情念、それゆえにいっそう燃え上がる毒々しい肉欲のアラベスクを鬼気迫る筆致で描き出す作者最新刊はおとそ気分も明けぬうちから堂々リリースだ。
90年代なかばからの長大なキャリアそれ自体もすごいのだけれど、毎年コンスタントにコミックス数冊ずつを刊行し続ける「太く長い」活動ぶりこそが最大の特徴。エロ/一般問わず膨大に単行本を出すので自分はとても全部はついていけず申しわけなくも購入したりしなかったり。ゆえにほんとうは途中いくつか新刊も出ているのだけれどそれらは飛ばしてしまい、当ブログで記事にするのはちょうど1年前にこのレーベルから発売された「変態兄キと妹玩具」以来となる。
アニメーター出身という経歴どおり適度にディフォルメを利かせた軽快なタッチで売り出した作家なのだが、近年は描線もトーンワークも異様にコッテリ感が増してすっかり濃口の絵柄に。また瞳の大きさや顔パーツのバランスなどディテイルをひんぱんにいじる人でもあり、数年単位で作画の印象がコロコロ変わる。とくにマイナーチェンジ途中の過渡期にたまたま単行本発売が重なると、執筆時期の新旧でまるっきり雰囲気が異なることもしばしば。本作も直近に手がけたであろう表紙絵と中身の一部の作品との齟齬が感じられるので、書店店頭サンプルもしくは出版社サイトで単行本情報をクリックすると出てくる内容見本を閲覧してから購入可否を判断するのがよろしいかと。
ょぅι゙ょから熟女までドンと来いの超ワイドレンジな年齢層をこなす人ながら、本作ではオーソドックスに10代後半~20代前半附近が中心。ただ表紙絵でドーンとアダルトさんがフィーチャーされているように最近の板場広しが得意とする熟女系ももれなく収録だ。一方ボディデザインはハッキリと巨乳/爆乳志向で、雄大に張り出した双丘にキュッと締まった細腰、そして再びヴォリュームを増した優美なビッグヒップと魅惑のラインが続く。そして下腹部からはほどよく生い茂ったジャングルの奥から肉厚のヴァギナがその淫靡な顔を見せるのだ。
コミックス表題および帯コピーで高らかに謳われるように、こちらに収録の物語たちはみな愛と欲望の後ろ暗い部分を執拗に追い続ける本格ダークエロス。いずれも当社刊の「COMIC真激」に掲載されたそれらは強姦輪姦乱交監禁孕ませなどなど、不穏なシチュをこれでもかと読者の脳裡に叩きこみ続けるのだからたまらない。いくつか明るい空気の話もあるけれど、それらも近親だの不倫だのヤバげなシチュをブチ込んであるので1on1の甘やかなイチャラヴを希求する方は速攻回避で。ほとんどは男と女の抜き差しならぬ情欲の隘路とやがて待つ破滅へ向け一直線の転落ストーリーで占められ、読後どんよりと心に影が差すこと必至。
おどろおどろしい雰囲気のまま突入の濡れ場はむろんこの版元ならば問答無用の特濃エロスであることは論を俟たないが、近年の板場広し作品のなかでもとびきり情念うずまく暗黒世界がくり広げられていて一種異様。登場人物の誰もが薬物をキメたみたいに我を忘れ理性を失って眼を白黒させながらひたすらまぐわい続けるさまは壮観だ。男性サイドにやたらと泥くさい面構えのオッサンが頻出するのもありエアコンの切れた真夏の蒸し風呂のように汗だく汁だくのじめついたセックスが横溢する。
平凡な日常のなかでどこか鬱屈したアトモスフィアをただよわせていた女たちはいざ男根を前にすると眼を爛々と輝かせだくだく汗を流してすっかり発情。猥褻なボディを自分から押し開きすでに準備万端の蜜壷へたぎる怒張をあてがってすぐさま交合を開始だ。粘膜も破けようかという勢いでハードな抽送を続け分泌物どうしを交換しながら器官の先に走るしびれるような快感に身をよじらせる。汗と涙と愛液にまみれ顔面蒼白で日本語にならない咆吼を発しよがり狂う彼女の気の触れたような痴態はまさにケダモノのごとし。はしたなくビッグバストを振り乱しうわごとのように膣内射精を懇願するヒロインの願いどおりに白くねばつく液体を卵巣の奥まで届かせんと大量にぶちまけたその刹那両者ダブルノックアウト。
画面全体からすえた匂いが立ち上がってくるかのようなウェットでダーティな情念エロスが炸裂する、ほのぼのラヴお断りの大人だけの世界だ。発端から結末までキレイゴトではすまない人間の業に支配された空間が広がるので、人によっては正直読んでいてしんどくなるかも知れない。しかしながらこれこそが板場広しのダークサイドの底なしの威力であり、一般作品における彼の軽妙なお話運びとは180度異なるコールタールのような作品世界に脳髄がしびれること疑いなしだ。収録作のなかでは、ファム・ファタール的美少女の露悪的なまでの性欲発散ぶりとその毒にやられ主人公までが狂気にとりつかれてゆく巻末長編「蒼い火」がいっとうお気に入り。

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