2014-12-11

今週のよもぎまんじゅう。

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-森崎くるみ「LOVELY GIRL's」コアマガジン ISBN:9784864367257
話○ 抜△ 消中 総合△

容姿瓜ふたつの双子姉弟が入れ替わり先の女子高/男子高で本物の恋をゲット連作2本+家事万能で気の利く同居人の彼女はじつは幽霊で……連作4本(前単行本収録作後日談)+独立短編4本。とびきりの美少女たちがステディな男子諸君の前でだけトロトロのイキ顔さらして絶頂の萌えエロ数え役満を腹いっぱい摂取できる作者久方ぶりの成年向け新刊は抜き物件としての第4弾コミックスだ。
黄色い楕円つきとしての前作「Precious」を2007年に同じくコアマガジンから上梓してからというもの、漫画家としての活動はすっかり一般方面が中心。それでもポツポツと断続的に執筆を行っており、当時からのホームグラウンドである「漫画ばんがいち」誌上で細々と描き続けていたのがこのたびようやくまとまり7年ぶりの単行本発売とあいなった次第。自分もその昔は大いにお世話になったので、書店店頭でこちらを発見して衝動的にレジへ直行。
ハッキリ女性作家の筆によるものとわかる萌えまっしぐらのキュートな作画が森崎くるみ最大の特徴でありその魅力の源泉。いまや別ヴェクトルで進化してしまったリアル少女漫画とは異なる、前世紀末あたりにそっち方向の洗礼を受けた男子諸君の琴線をくすぐるような「古きよき少女漫画」テイストが横溢する。この人がバリバリ活躍していたころのばんがいちでは主流をなしていたこの手の作風が現在の同誌ではいささか背景に退いているのが時代の容赦ない経過を感じさせて諸行無常ですなあ。
ともあれこのさわやかな筆致で描かれる女性陣は年のころミドル~ハイティーン相当の萌えっ娘どもが勢ぞろい。ふわふわのおぐしに宝石のごとくきらめく瞳の極上ビューティフルガールズがとめどなく投入され続ける。愛らしい顔立ちもさることながら肢体の方も少女漫画からそのまま飛び出してきたようなスレンダーボディの女の子ばかりで、小さすぎず大きすぎずの可憐なおっぱいが昨今流行りなスイカのごときビッグバストにすっかり食傷の美乳スキーをとりこにすること疑いなし。
清楚でラヴリィな彼女たちとくり広げるのはむろん糖度10000%のベタ甘和姦専科。絵柄以上に少女漫画アトモスフィアのあふれ出る純情恋愛ストーリーに脳神経の1本1本まで残らずシロップ漬けになりそう。ことに女の子視点で恋に揺れ動く心境のモノローグを展開させると絶品で、思い人との心の距離が伸び縮みするたびドキドキときめく彼女らの思考回路にシンクロしているとどんなムサ苦しい野郎どもでもたちまち気分は乙女ティック。
みごと恋愛成就し最愛の彼氏と結ばれる濡れ場は率直に言って現代エロ漫画としては少々もの足りない部類。しかしながら本作のキモはファックそれ自体よりはカップルたちの甘やかなイチャつき具合にこそあるので、交合シーンのリアリティはそれほど必須項目ではないのだ。ゆえにいまのコアマガ物件では避けられないモザイク修整も、この作品に関してはフェイタルな弱点となっていないのはおもしろいところ。汗だく汁だく性器結合フルコースは他にまかせて、こちらでは2人してラヴワードを交わしながらきつく抱き合い愛の証をたっぷり膣内に注がれて幸福そうに絶品イキ顔のヒロインの痴態を存分に堪能すべし。
抜き至上主義を標榜する当ブログではどうしても不利な採点になってしまうのだけれど(作者さますいません)、疾風怒濤の肉弾ファックよりはしっとりと叙情派ラヴを味わいたい草食系の貴方へとくにオススメの1冊。直近作では以前にも増して萌えパワーもアップしており、まだまだ一般誌へ専念してしまわず成年向けでも活躍を続けてもらいたいもの。収録作のなかでは清純そのもののルックスでいながら精液をエネルギー源として生きる妖艶さをもかいま見せる幽霊っ娘ヒロイン・霊奈さんのキュートネスが炸裂な「憑いてた彼女」/「憑いてますっ!」連作がとりわけよござんした。

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