2014-02-18

本日のレーベンスボルン。

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-Zummy「黎月」ヒット出版社 ISBN:9784894656208
話○ 抜○ 消小 総合○

由緒ある素封家の呪われた血の連鎖のなかで一族の男たち/女たちの狂おしき性の饗宴は続き表題作長編5話(本編4話/過去エピソード1話)+独立短編3本+前単行本宣伝ショート漫画。鬱屈した心理劇と問答無用のハードファックとの両輪で読者の脳髄を漆黒に染めるダークエロス絨毯爆撃でお送りする作者最新刊は通算7冊めにして当レーベルでの第3弾コミックスだ。
デビュー作はロリ凌辱てんこ盛りだったのが2冊め以降は少年少女の明朗快活ラヴへと作風をシフト。ホームグラウンドをヒット出版社に移してからのファースト作品集「ツインテでニーソの女の子達がキャッキャでうふふ」もおおむねそのノリを継承していたのだけれど、前単行本「幼殖」ではいきなりド真っ暗強姦輪姦へと先祖返りしていて驚いたものだ。そして今作もその流れを汲んだ暗黒寄りのアトモスフィアが全編を支配する。
これまではややクセはあるものの端整でキュートなぷに系のタッチを武器としていたのだが、どんどん暗くなる物語にシンクロするかのように描線には頽廃的な雰囲気がまとわりつき画面全体が翳りを帯びたものに変化。昔はけっこうコミカルな描写もやっていたのだけれど、いまやシリアスモード以外は受けつけない状態。あいかわらず10代前半附近をヴォリュームゾーンとした少女らの可憐さが色あせることはないものの、もはや彼女たちが無邪気に笑うことはなくけだるげでやるせない横顔を見せるばかり。
横溝正史的なドメスティック・ジャパンの隠微な因習うずまくタイトル・チューンをはじめ、収録される物語はみな人間のダークサイドを深くえぐる因果応報地獄曼荼羅。婚姻可能年齢など知ったことかと幼少時から近親相姦をくり返し年端もゆかぬ少女を情欲のまま犯し高貴なお嬢さまを卑劣な罠にかけ輪姦し……という具合にインモラル数え役満だ。唯一ポジティヴめな農村集団お見合いもの短編「Engage」ですら世話役たる青年のレイプからはじまる狂気じみたなれそめが語られ読み手の心をすっかりよどませてくれる。よく自分はコンビニ誌掲載の明朗ラヴコメを「読み口爽快」と称するのだけれど、Zummyが展開するのはまさにそれとは正反対の苦玉を飲み下すがごとき渋みエグみ満載のストーリーだ。
必然的に彼ら彼女らの交わりも怒りや悲しみなどネガティヴな感情に彩られながらの暗黒エロスとなる。人体改造や虐待など肉体酷使系のプレイに走るわけではないけれども、心理的に追い詰めたうえで徹底的に凌辱したり権力にものを言わせて弱者的立ち位置の少女を蹂躙したりとえげつないセックスが横溢だ。相手の意志などおかまいなしに幼い子宮へ極太ちんこをねじこみ内臓も破けよと執拗に内奥をえぐられて身もだえする少女の屈辱と憎悪に充ち満ちた表情がたまらない。気持ちよくなるまで強引に開発され続け白目剥きながら望まぬ絶頂に達する痴態に見ているこちらも罪悪感を抱きつつ自慰表明にいそしむのだから因果なもの。
華奢な身体を褥に押しつけられて少女は無理やり蕾を開花させられる。前人未到のぷっくりまんこをこじ開けられいきり立つ怒張でスリットの奥深くまで割かれてゆく光景が痛ましくも淫猥だ。激しくシャフトを出し入れされるうち痛いのか気持ちいいのか判然としなくなり、憎しみとも愛情ともつかぬアモルフな感情のまま昇りつめてゆく。息もできないほど子袋の奥を貫かれ締めくくりに大量のザーメンをぶちまけられてヒロインは全身をのけぞらせ獣のごとく咆吼しながらくずおれて2度と起き上がれない。
この作家の多用する、微妙な表情変化や視線の移動によってキャラクターの心理を表現する手法はやたらと説明科白を連呼する昨今主流のそれとは趣が異なり、とくに表題作のような長尺ものではいっぺんに飲みこみづらいかも知れない。しかしながらこうしたダーク寄りの物語にはZummyの手になる「あえて語らない」タイプの作劇がよくマッチしていて、頽廃的な雰囲気をよりきわ立たせるのに成功していると思う。まあ昔みたくちょっとギャグ混じりなほのぼのエロもたまには読みたいのだけれど、現状この路線で周囲との差別化にも成功しているのだししばらくはこのノリで行くのだろうな。収録作のなかでは前述のまだしも明るい部類なロリっ娘3人衆中田氏漫画「Engage」と、フィルム・ノワール調の鬱蒼とした情景描写とアイロニカルな結末が印象的な巻末短編「CREA」がお気に入り。

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