2012-06-18

今晩のかねさ味噌。

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-水上蘭丸「さらけだしおんなのこ」エンジェル出版 ISBN:9784873064260
話△ 抜△ 消小 総合△

親の再婚であこがれの先輩女子が義姉になり連作2本+病弱で屋敷に閉じこもりきりのお嬢さまと彼女に献身的に仕える執事との強固な絆連作2本+独立短編5本+フルカラーショート2本。繊細かつ華麗なタッチを武器に複数のジャンルをまたいで活躍するこの作家最新刊は男性向けエロとしての7冊めにしてこの版元からの初お目見え。
つるぺたロリからフェロモンダダ漏れ熟女までなんでも描けるだけでなく、複数の名義を使い分けて黄色い楕円ワールドのみならずボーイズ・ラヴもこなす老若男女オールOKのオールラウンダー。コアやワニなど成年向けの大手とは縁がなくて知名度はいまいちかも知れないが残している実績はすでにヴェテランの領域だ。まあそんなことを言いつつ自分もこれまで雑誌掲載分はともかく単行本はスルーしていてこれが初挑戦だったりするのだけれど。
表紙では非常にアダルティな雰囲気のカヴァーガールがもの欲しげな視線を向けてくるのだけれど、中身を手繰るとそれはこの作家の持つ人物ヴァリエーションの一部にすぎないことに気づく。ベースラインは細めのバロキッシュな線で描かれる少女漫画/TL風味のタッチなのだがキャラの年齢層に応じて顔立ちがガラリと変わるのだ。概して年長系は宮崎摩耶や春輝のようなリアル寄りの造形で、それがティーンになると一転ブリブリの萌えテイストに変貌する。個人的には断然後者が好みとはいえ、髪型以外みんな同じ顔しか描けないような作家も多いなかこの幅の広さは立派なこと。
物語もまたベタ甘ラヴからビターな恋の隘路までドンと来いの人なのだが、今回は初出のほとんどがコンビニ売りの故「メンズヤング」ということで基調はおおむね和姦系。なかには不穏な空気をかもし出したりなにやらヤバげなネタを投入する話もあるものの、それらも最終的には前向きに決着させて口当たりよく処理する。もっともオハナシこそノーマルでも手コキ足コキやら放尿やらコスプレやら男の娘やらギミックには飛び道具がいっぱいで多種多様な嗜好にお応えだ。
慎太郎シール誌初出ゆえ濡れ場含有率は高くないが、修整の方は白抜きから単行本収録の際にマークつき準拠の薄消しとなりちんこまんこをクリアに見せてくれて勃起力アップ。ツヤツヤムチムチの女体を液汁まみれにしながらハードに怒張を出し入れされてイキ狂うおなごどもの媚態を全面フィーチャーだ。キツキツまんこを強引に押し広げられドプドプ膣内射精されて放心しきった顔でぐったり横たわるヒロインのあられもないお姿にいっそうエレクチオンしようというもの。
ひんぱんに視点が移動するストーリーテリングはややせわしなく感じ、また私的嗜好からすると女の子はもっと10代多めの方がありがたくはあるものの、華やかなヴィジュアルがもたらす得も言われぬ眼福感は強力な武器。この作家が長いことホームグラウンドにしていた松文館はいまかなりアクティヴィティが低下してしまっているので、この機会にぜひいろんな出版社に営業をかけてメジャーに成り上がっていただきたい。今回収録のものではお互いすなおになれない男子女子がふとした勘違いからようやく結ばれて「侵略者に気をつけろ」がマイフェイヴァリット。

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