2012-05-30

本日のぼんちシート。

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-川崎直孝「ついてきます!」若生出版 ISBN:9784948714328
話○ 抜◎-○ 消極小 総合○

友人カップルにけしかけられて無事初体験をすませた彼氏彼女だけどやがて事態は思わぬ方向へ前中後編+独立短編7本。ハイテンションギャグエロからほろ苦い愛と性春までワイドレンジに描きこなす作者最新刊は通算2冊めにして当社からの初お目見えだ。
ほんの3か月前にデビュー単行本「アとエのあいだ」をコアマガジンから世に問うたばかりだというのに、息つくヒマもなく次の一手をくり出してきた現在脂の乗っている漫画家。加えて著者あとがきによればまだまだ収録しきらなかった作品が多数あるとのことで、奇想連発だけでもすごいのに筆も早いとくれば鬼に金棒じゃのう。
細めの描線と上品なトーンワークを用いて紙面に叩きつけられる一般青年誌/ヲタ絵のハイブリッドな絵柄はなかなか類似品の見つからない独特のもの。目次の初出を見ると執筆時期は2010-12年とほぼ「アとエのあいだ」とシンクロしているのだけれど、こちらの方が心もちタッチのばらつきが少なく感じるのはそれだけ加筆修正がなされているということだろうか。
この洗練された筆致に乗っかるヒロイン群は推定ハイティーン~20代入りたてといったところで、ロリ多めだった前作と比べて年齢が上方向にシフト。お年を問わず童顔傾向のフェイスはともかくとして、明らかに差異を感じさせるのは全キャラにニョッキリと芽生えた巨大な胸の突起。ただ大きいだけでなくやたらと可塑性が高くて伸びたり変形したり自在にうごめくそれはまるでコアで描いてきた貧乳漫画のアンチテーゼのようだ。ときおりやりすぎて得体の知れないシルエットの肉塊に化け若干興奮を削ぐこともなくはないが、この作家の描くツヤツヤしたお肌のテクスチャとの相性もよくてまた新たな購買層を開拓できるだろう。
川崎直孝最大の武器である才気走ったアイディア入り乱れるストーリーテリングはもちろん健在。コンビニ売り誌だけにレイティングがきつくて編集側から発想に掣肘が加えられることも多々あったようだが、そんな規制をくぐり抜けて展開される多彩なシチュの波状攻撃は圧巻のひと言だ。投入されるアイテム自体は媚薬ネタだったりおねショタだったりスワップだったりとまあエロ漫画的定番なのだけれど、その活用法や結果としてもたらされるオチのつけ方がたいそう個性的で、読み手の想定をことごとく裏切るキレのよさが身上。またギャグからシリアス、感動からアホアホへと緩急の冴えは前作以上で、読んでるこちらもゲラゲラ笑ったりグッと涙こらえたりと大忙し。
そしてなにより俺が評価したいのは、そうした奇想の奔流を今回はよりいっそうダイレクトに抜きへとつなげていること。ノリノリのギャグに走るにせよ重苦しい恋愛模様をくり広げるにせよ、覚えたてのセックスに夢中となりちんこにがっつく女の子のあふれんばかりの性欲やらふとしたことでスウィッチが切り替わりドエロく乱れる媚態やらを大いにフィーチャーし、むやみに扇情的な女体が所狭しと暴れまわる一連のシークエンスが脳の記憶容量をオーヴァーフローさせんとする勢いでたたみかけられるのだ。
重力に負けてだらしなく崩壊する2つの双丘を執拗にいらい倒しながらすべすべまんこへ暴れん棒を侵入させてゆくとたちまち彼女ら発情し大胆に乱れる。激しくシャフトを打ちつけられるたび全身を朱に染めながら大量の擬音をBGMにして四方八方に淫語をばらまくヒロインの痴態にぼくらのおっきも止まらない。汗と涙とツバと愛液にまみれつつ性器どうしの天下一武道会に全精力を傾注する男と女のつがう光景は獣のごとしだ。ますます嬌声のヴォリュームを上げてしきりに種つけを懇願する彼女の望むままに最後は子宮のいちばん深いところへ大量のザーメンを斉射して長く熱い性の営みもようやく終幕。
ハイテンポギャグの応酬があるかと思えば次はグッと抑制した語り口のダークネタ逐次投入のワイドレンジな作劇に心打ち震わせ、はたまた清楚な少女が突如ドエロく変貌するギャップにおのが息子をたぎらせてと、前単行本以上に楽しく激しく身体の各部を活用させてもらい大満足。願わくばまだいっぱい残っているという未収録のストックもすみやかに単行本化してもらいたいものだ。自分的にはカラダを張ってリフォーム物件ご案内のヒロインがアホらしくもキュートな表題作「ついてきます!」と、同時に達することのできなかったカップルが最後のチャレンジでようやく身も心も満たされる冒頭短編「メランポジウム」がフェイヴァリット。

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