2012-05-01

今月のインファント・インダストリー。

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-こんちき「おいでませにゃんにゃん」ワニマガジン社 ISBN:9784862691989
話○ 抜○ 消中 総合○

偶然出会った女の子と猫をお持ち帰り→後日さらにメンツが増えて表題作連作3本+独立短編6本+全作品に描きおろし後日談。もっちりキュートな女子どものビッグバストに思う存分むしゃぶりつき気持ちよく射精のワンダーランドに心も身体もほっこりな作者成年向け初コミックスだ。
今回いちおうこれが処女作という扱いではあるものの、じつは山田秀樹名義の非エロ単行本がすでに9冊も上梓されている一線級の作家。もっともそちらに注力していたせいで成年向けのお仕事がとどこおりリリースが大幅に遅れたのは痛しかゆし。だもんで収録作の初出も2007-12年と非常にワイドレンジであり新旧の絵柄の差異はさすがにハッキリわかるけれども、昔から作画は達者ゆえ初期のものでもクオリティ的には遜色なし。
ザックリと勢いのある描線は一見ラフに見えかねないがデッサン自体はじつに正確で、均整の取れたマッチョなものからいかにも節制してないだらしな系のソレまで体躯の描き分けはおみごと。それは表情にも同じことがいえ、喜怒哀楽のメリハリも鮮やかなヒロイン百面相がいっそう親しみを増してくれる。
全員飲酒可能年齢と思われる女性陣は幾人かの例外を除きたゆんたゆんの胸のふくらみを標準装備。貧乳キャラも決して魅力がないわけではないのだけれど、アニメ化もされた代表作のように巨大な胸部を美味しそうに表現することこそがこんちきの真骨頂。加えてすばらしいのがヒロインの多彩なキャラメイクで、積極派/引っこみ思案、ワガママ/従順、能天気/しっかりなど属性の総合デパート状態だ。前述の豊かな表情変化とあわせ女の子のヴィヴィッドな生態を引き出す手管はさすが一般誌経験者。
ストーリーラインは肩のこらないライトエロコメ主体でコンビニ売りの快楽天にはジャストフィット。もっとも生殖行為の実況に終始するのではなくありふれた日常に転がるネタをていねいにふくらませて物語そのものを楽しく彩ろうとするその姿勢は、セックスを前面に押し出すようになった現在の快楽天よりむしろ以前のごった煮な誌面にこそ似つかわしいかもしれない。
エロシーン含有率はきわ立って高い方ではないものの、女子の感じてる表情をアヘ顔のみに頼らずにさまざまなパターンで描き出す手練れの技により思わずちんこが屹立してしまう。性格がオフェンシヴならば自分から挑発的な顔つきで迫りノリノリで絶頂に向けのぼりつめていくし、ディフェンシヴだと強く恥じらいながらも徐々に快楽を引き出され最後ようやく理性を解放するというように、女の子のタイプにより反応もまた変わるあたりがリアルでよろしいのだ。
トレードマークの巨大な双丘をポヨンポヨンともてあそびながら柔肉に密着し全身をいらい倒すとおにゃのこすっかり表情をとろけさせる。ぷっくりまんこに如意棒をグイグイ沈めてゆくたび全身をのけぞらせ早くも息絶え絶えだ。なん度も性器どうしを打ちつけながら2人してきつく抱きあいいろんなところへ分泌物をぶちまけて両者TKO。
ワニ恒例の太め黒線消しは興を殺ぎまくるし人によってはややパサついた筆致が気になるかもしれないが、女の子の生き生きとした描写がそう多くない濡れ場の実用性を水準以上に引き上げる役目を果たしてくれる良作。一般誌との二足のわらじは大変かもしれないが、ぜひ今後もこんちき名義での執筆をコンスタントに続けてもらいたいものだ。自分的にはネコ系/イヌ系両タイプの女子両取りな表題作はむろんのこと、極端な恥ずかしがり屋のヒロインが見せるリアクションがいちいち楽しい「~変な彼女~見つめられるのが駄目なんです」がマイフェイヴァリット。

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